スポーツ競技中に暴行罪や傷害罪などの犯罪は成立する?

違法・犯罪・逮捕
スポーツ競技中に暴行罪や傷害罪などの犯罪は成立する?
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スポーツ競技中に相手にケガを負わせたり、死亡させてしまった場合には、次の犯罪が成立する可能性があります。

傷害罪(204条)
人の身体を傷害することによって成立します。15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

業務上過失傷害罪(211条前段)
業務上必要な注意を怠り、よって人を傷害させることによって成立します。5年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金が科せられます。

傷害致死罪(205条)
身体を傷害し、よって人を死亡させることによって成立します。3年以上の有期懲役が科せられます。

業務上過失致死罪(211条前段)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死亡させることによって成立します。5年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金が科せられます。

しかし、一般的にスポーツ競技中のケガや死亡について、これらの犯罪が成立することはほとんどありません。それはなぜでしょうか?

スポーツ競技中の傷害や暴行は違法性が阻却される

スポーツ競技中に相手にケガを負わせたり死亡させてしまった場合でも、傷害罪や殺人罪が成立することはほとんどありません。

その理由は、「違法性が阻却されるから」です。

刑法35条では、「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」と定めています。

社会生活上、正当な行為については、たとえ犯罪行為に外見上該当するように見えたとしても、違法性を阻却して、処罰しないと定めているのです。

スポーツ競技の傷害や暴行に違法性が阻却される理由

判例や学説によると、スポーツ競技中の暴行や傷害に違法性が阻却される理由は、

・スポーツ競技という目的の範囲内で一定のルールに従って行われていること

・被害者の同意の範囲内であること

という2つがあげられます。

ようするに、スポーツで通常予想される行為の結果、相手がケガを負ったり死亡させてしまったとしても、その結果は被害者の同意の範囲内であるから、犯罪は成立しないとされているのです。

度が過ぎれば傷害罪や暴行罪が成立する可能性

しかし、度が過ぎた場合には、傷害罪や暴行罪が成立する可能性があります。

例えば、スポーツ競技の目的とは無関係の行為であった場合や、明らかなルール違反、相手が同意した以上の死傷結果が生じた場合などです。

この場合には、刑法35条が適用されず、違法性が阻却されないため、結果として犯罪が成立する可能性があるのです。

 

 

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